フィラリア予防について

Q.フィラリア症とは?

蚊が媒介する寄生虫で、とくに犬糸状虫(Dirofilria immitis)の成虫がイヌの肺動脈や右心系に寄生する病気です。

  

Q.どうやって寄生しますか?

蚊が、既にフィラリアに感染しているイヌの血液を吸血した時に、感染犬の血液中のミクロフィラリア(フィラリアの子虫)を吸引します。次にそのミクロフィラリアは蚊の体内で少しだけ成長します。最終的に蚊が正常犬を吸血したときに、少し成長したミクロフィラリアを注入します。そしてイヌの皮下組織や筋肉など体内を移行しながら成長を繰り返して心臓内に到達する寄生4〜6ヶ月前後で体長約10〜15cmほどの成虫になります。

   

Q.どんな症状が出ますか?

寄生してすぐに症状が出るわけではありません。症状が出るころには長い経過があります。慢性症状では咳、呼吸が荒い、痩せてきたなどです。進行すると腹水が貯留することもあります。

急性症状(大静脈症候群)では赤ワイン様の排尿をし、呼吸困難や失神などを起こすことがあり、高い死亡率を引き起こします。 急性症状の場合は、緊急手術が必要です。

またネコの主な症状は咳、呼吸困難、間歇的な嘔吐、突然死ですが、30%弱の患者では無症状ともいわれています。

  

Q.フィラリア症は犬だけですか?

主に寄生するのはイヌ科動物ですが、ネコ、フェレットさらにヒトやクマ、トド、オラウータンなどからも報告はあります。 

ネコのフィラリア感染率は、その地域のイヌの感染率の5〜20%ほどといわれています。

   

Q.フィラリアには寿命がありますか?

イヌの体内では5〜7年ほど、ネコの体内では2〜4年ほど生存するといわれています。

    

Q.フィラリアの予防期間は?

この地域では11月でのフィラリアの感染の可能性が報告されており、蚊の終息時期1ヵ月後まで投与することが勧められています。そのため中部地方では5月〜12月が予防推奨期間となっています。また温暖な地域では1年中服用することもあり、逆に気温の低い地域では予防期間が短いところもあります。

  

Q.子イヌにもフィラリア検査や予防薬が必要ですか?

生後月齢によりますが、ほとんどの場合検査は必要ありません。翌春から検査を受けてください。当院では生後2〜3ヶ月齢以上の子イヌには予防薬の服用をお勧めしています。

  

Q.毎月投与タイプの予防薬はどうやって効くのですか?

予防薬は服用後1ヶ月間効果があると思われがちですが、そうではなく服用までの1ヶ月間に蚊に刺され注入された(かもしれない)ミクロフィラリアを組織移行段階の成虫になる前に駆虫します。

  

Q.毎年予防しているのに、なぜ投与前に検査が必要なんですか?

毎年検査するのは前年の投与が確実に行われたかを確認するためです。万一感染していた場合に服用すると副作用が起こる可能性があり、投与を開始する前に感染の有無を調べることは製薬会社の説明書にも記載してあります。

実例1:前年10月までで投与終了してしまい、翌春の検査で陽性反応。

実例2:食事の中に毎月きちんと予防薬を入れ与えていたが、イヌが予防薬を吐き出していた。外飼いの犬だったため、飼い主はそのことに気が付かず翌春の検査で陽性反応。

  

Q.予防薬を1回忘れました。どうしたらいいですか?

臨床的に問題ない範囲で予防可能ですので、思い出した時点で直ちに投与再開してください。しかしこれは補助的予防であって、2ヶ月に一度の服用で良いわけではありません。

     

Q.昨年の予防薬が残っているのですが、服用しても大丈夫ですか?

予防薬の使用期限は2〜3年有効ですので、今年使用することは可能です。しかし、上記に示したように投与前に感染の有無を検査で調べられることをお勧めいたします。 それ以前の予防薬は期限を動物病院にお問い合わせください。

   

Q.今まで予防しておらず、検査で陽性反応が出ました。どうしたらいいですか?

まず、レントゲン検査や超音波検査で心臓や肺の状態を把握確認する必要があります。その後(1)無処置で予防薬の継続、(2)注射による駆虫処置、(3)手術によるフィラリア摘出術など患者の状態で処置を選択していきます。

  

 

 

 

 

 

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