歯科処置

動物の歯科処置は手技の難易に限らず、基本的には全身麻酔下で行います。

それは人のように処置の間、口をあけていることができないからです。 DSC03866.JPG

また不必要なストレスを与えない、という大切な意味もあります。

そのため歯科処置が必要な患者さまは麻酔ができる状態かどうか確認するため、処置の前に血液検査・健康診断が必要になります。

また歯科処置は完全予約制となります。

ご理解のほどよろしくお願いいたします。

歯石除去

歯石除去も全身麻酔下で行います。

避妊・去勢手術などの手術と同時に行うことが可能です。

除石を行うことで、同時に歯の状態を確認することができます。

除石だけのつもりが同時に抜歯、なんてことも珍しくありません。

(もちろん飼い主様の承諾なしに抜歯をすることはありません)

歯石の付着は年齢だけでなく、生活習慣・食生活・犬種・動物種などにより大きく異なります。

 

 除石前

 除石後

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歯石がつきやすいのは上顎第3、第4前臼歯です。(上の写真)

犬歯、上顎第4前臼歯は口鼻瘻管の原因となる代表的な歯です。

普段は唇に隠れて見えないため歯石に気が付かないことがありますが、

上唇をめくりあげて一度みてみるのもいいかもしれませんね。

乳歯抜歯

 犬の乳歯はおよそ生後半年ですべて永久歯に抜け替わります。

しかしこの時期を過ぎても乳歯が残っている状態を乳歯遺残といいます。

乳歯が抜けずに残ることで、その後生える永久歯の萌出をさまたげ不正咬合の原因となることも珍しくありません。

また乳歯と永久歯の隙間に歯垢がたまり歯肉炎を引き起こしやすくなります。

 

 抜歯前

 抜歯後

 抜歯した乳犬歯

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上の写真のような犬歯の乳歯遺残は小型犬に比較的多くみられます。

抜歯してみるとかなり長い歯根が残っているのがわかります。

抜歯のため切開した歯肉は抜糸のいらない吸収糸で縫合するため抜糸は必要ありません。

歯肉炎などの症状をともなった乳歯遺残では、抜歯に動物医療保険が適応される場合があります。(保険会社により異なります)

すでに動物医療保険に加入済みの飼い主様は一度確認されてみるのもいいかもしれません。 

永久歯抜歯

除石により、歯が動揺している、重度の歯周疾患がある、歯根が吸収されている、歯髄が露出して時間が経っている、歯が折れている、などの状態が認められた場合、抜歯の適応となります。

臼歯抜歯は除石と同時に全身麻酔下で行います。

 

 

DSC02909.JPG 歯石が重度に蓄積していると歯根部・歯肉の状態がはっきり分かりません。 DSC02926.JPG

除石したことで、歯槽骨が後退し、歯が浮いた状態であるとわかりました。

DSC02932.JPG 歯根部が目視で確認できます。 DSC02933.JPG

 抜歯をし、不良組織を除去し、歯槽骨を整え、歯肉を縫合します。

歯肉の縫合は吸収糸で行うため、抜糸の必要はありません。

上の処置は臼歯の抜歯ですが、もちろん犬歯、切歯の抜歯も必要により行います。

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